第12章 新しい出発


 

 

こんな時ある話がありました。「農家も馬車馬のごとく働くばかりではだめだ、
生甲斐もなければ世代交代など夢のまたゆめだ。」

突然我が家にタイムレコーダーがやってきました
農業改良普及所の指導もあり、当時の夜明けから日没まで田んぼで働き帰
ってまた夜なべ仕事と生活は仕事漬け、それでも尚働き通す。
そんな生活では若い者の夢も崩すのは当たり前だった。
当時は地域周辺にも高度成長期の影響で企業の進出でサラリーマン家庭も
増え若人の付き合いも勤め人時間に合わされ、我が家にもメリハリのある労
働が必要になっていた。

ダチャンとタイムカードを押し田んぼへ出勤し、ガチャンと押し泥靴を脱ぎ家に
上がる。たったこの中古の機器一台で生活が変わった。

昭和58年いよいよ夢にまで見た作業所の建設を開始した。
近隣の先進農家の施設を数多く見学し設計した。そして刈り入れから乾燥精
米まで一連ででき、腰痛やけがなどしないように配置もした。この年初めて13
00俵を生産した。合理化のお陰で病気も怪我もなく多額の借り入れ金以外は
大成功の出発だ。

夏の余暇には出身地樽本に残してきた杉木を大切に育てたお陰でこの木も利
用し、昭和63年家族一丸となって働き続けたお陰で住宅の改築を行った。
若い夫婦や孫たちの意見を充分配慮し将来の小出農場を夢見た設計で完成した。

さまざまな出来事が頭をよぎり、新居の第一日目の夜は眠れなかった

昭和41年この地関山にたった四反歩の土地を求め出張作付けで始まった近代化
がようやく結果が出始め、形も見えてきた。

新しい出発の始まりだ。先祖に心から感謝をしたい。

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